緑が丘の家


緑が丘の家

 

建設地:東京都羽村市
竣工:2007年10月
工法:木造在来工法(紀州産杉)

 

囲まれた敷地条件から考える

 

「緑が丘の家」は道路から細長く引き込まれた、典型的な旗状敷地に建つ住まいです。

旗状敷地は四方を隣地に囲まれやすく、外部との関係やアプローチの展開がどうしても制限されがちです。

この敷地も例外ではなく、南側にはマンションと深夜まで営業する店舗、西側は一段下がった隣家、
東側は擁壁を挟んでアパート、北側も一段上がった隣家と、四方すべてが建物に囲まれた条件でした。

 

わずかな「抜け」を、住まいの軸に

 

唯一、南東側だけがマンションの駐車場を介してわずかに視界が開けている状況でした。

この小さな抜けを手がかりに、視線と光の方向を定めプラン全体を組み立てています。

 

正面に据えた玄関という選択

 

敷地延長部分から玄関までの動線は、どうしても住まいのどこかの前を通り抜けることになります。

外構計画も含めて検討を重ねた結果、どちらかに振るのではなく、

思い切って正面中央に玄関を配置するという判断に至りました。

その結果、玄関とデッキが自然につながる構成となり、内と外の関係を整理しながら、

囲まれた敷地条件を前向きに受け止める住まいとなっています。

 

条件を否定せず、読み解く

 

不利に見える敷地条件を否定するのではなく、そこにあるわずかな可能性を丁寧に読み解き、建築として応答すること。

緑が丘の家は、敷地条件そのものを設計の起点とした住まいです。