肝心なものが、ない〜その2〜

先日「肝心なものが、ない」で、シンプルなドアベルの選択肢が全くなかったお話をしましたが、
建築設計をやっていると、当たり前にあると思っていたものが、
実はなかったりすることが多いのです。

 

こちらは、先日お引き渡ししたTさま邸の貯湯式ソーラーシステムの集熱器。
こちらも様々な紆余曲折の末、kameplanオリジナルを制作した一つでした。

貯湯式ソーラーシステムとは、屋根の上に置いた「焦熱機」と、
地上に設置した「貯湯槽」の間に専用の液体を循環させて、
貯湯槽でお湯を沸かすと仕組みになっています。
これの良いところは、屋根に大量の水を送らないので、屋根の荷重が増えなくていいことと、
集熱器自体がシンプルなものなので、屋根がスッキリ収まります。
それでいて、衆熱効率の高いものを選ぶと、冬場でも熱いお湯が取れて、
省エネに大きく貢献します。

しか〜し、よく調べてみると、設置するための専用架台はの固定方法に問題が・・・
方法は2つあり
1)屋根に置いた集熱器を、ワイヤーで固定する。
2)集熱器の架台を、専用の金物を屋根にビス止めで固定する。
といったものでした。

1)だと新築なのにワイヤーがあちこちに出てきてみっともないし、
2)だと長い目で見て漏水の危険が出てきます。

そこでkameplanは考えました。
美しく、かつ漏水の危険がない物は無いだろうか。


どのメーカーに相談してもケンモホロロ。
「標準でないものはない!それ以外は保証出来ないので勝手にやっとくれ。」
でした。
もちろん、メーカーとしてこの対応は全くの正解で、
メーカーが長い年月を費やして蓄えてきたノウハウや、実証された施工例に基づいて保証を出すので、
これで正解です(笑)

しかし、ココでもあきらめないのがkameplan。
古い友人が勤めているソーラーシステム矢崎に、考えてみた納まりと金物の性能証明書、
屋根風速の計算書を携えて相談してみたところ、考えてみると。
矢崎さんの内部で検討して頂き、標準の架台をちょっと手を加えることで、
屋根に穴をあけないで止め付ける方法に、なんとメーカー保証を出してくれました(涙)

ココで使った金物は、スワロー工業という、太陽光発電のパネル固定用の金物を製作している会社で、
金物の性能証明書も気前よく送ってくれました。

 

 

 

で、出来上がった固定方法が上の写真です。
屋根材をがっちり掴んでいるのがその金物で、その上は矢崎さんのソーラーパネル。

これだけガッチリしていれば、風の強い遠州でも心配無し!!

 

 

屋根に一切穴をあけていないので、漏水の心配もなし。
ワイヤーもないので、見た目もスッキリ。
金物の設置が自由なので、設置自体もスムーズに終わったと聞いています。

 

 

こういう部分、結構気になるので、こだわって行きたいですよね〜。

こういう風に、今まである部品を組み合わせて新機能や機能強化を行うのは、結構得意です(笑)

メーカーさーん、いかがスカぁ〜(笑)