街のクリーニング屋さん 〜その2

建物が建っている敷地には『用途地域』という決まりがあって

『街のクリーニング屋さん』は工業系地域にしか

建てる事が出来ないと説明した「その1」ですが →★

でも「よく見かけるのは商店街だよね?」

という疑問に答える「その2」です^^

昭和40年代のドライクリーニング溶剤の主流は

「テトラクロロエチレン」という塩素系溶剤 →
(通称:パーク)

引火性が無いため、商業地や住宅地での使用も合法でした。

しかしこの溶剤は毒性や発ガン性が問題となり

後に排出が厳しく規制され始めました。
(使用禁止ではない)

そのパークに変わる溶剤として使用され始めたのが

引火性溶剤である現在も多く使われている石油系溶剤でした。

保健所から「パークから石油系へ移行を」という指導が

多く行われたとも言われています。


さて、では肝心な建築基準法は? と言うと・・・


現在の『建築基準法』(以下、「基準法」)

は昭和25年に制定されましたが

『用途地域』が正式に定められたのは昭和45年。

すでにクリーニング屋さんは需要の多い『住居系地域』や

買い物客が集まる商店街などの『商業系地域』で操業。

特例を除いて建物は、建替えたり大規模な修繕をしない限り

役所へ『基準法』の届け出(建築確認)は必要ありません。

それまでの建物を利用したまま機械などの入れ替えをする

「リフォーム」程度では『基準法』に触れる機会がないままです。

保健所の指導等で石油系溶剤を導入したクリーニング屋さんは

悪意がないまま、知らずに『違反建築』

になってしまった方が大半なのではないでしょうか?

縦割行政の弊害で無数に存在することになった

『街のクリーニング屋さん』

基準法上では、その場所で操業してはいけない事業ですが

実際には生活に欠かせないものです。

なのに『用途地域』制定の後に現在まで

およそ40年ものあいだ放置され続けていました。


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え〜!? じゃあ『街のクリーニング屋さん』は

一体どうなっちゃうの!? どうしたら違法じゃなくなるの?

と思った方は その3 もご覧下さい(-人-)