焼杉 やきすぎ

先日設計仲間に誘われて、大磯農園で開かれた「焼杉ワークショップ」に参加してきました。

 

焼杉というのは、杉板の表面を焼くことによって炭化層を作り、

その炭化層が保護膜の役割をすることで、外壁に張ったときの耐久性を持たせる加工です。

そのほかにも、一度炭化した木材は普通の木材よりも着火しにくく、

防火性能をあげる加工にもなります。

 

kameplanでもeconoma2きたにわの家Hamura Soler Cubeなどでも使っている、

とっても身近な材料なのです。

ただ、製品として出回っているものはバーナーで焼いたものがほとんどで、

風合いはいいのですが炭化層が薄いので、削った後に保護オイルを塗るなどの二次加工が必要になります。

 

昔は二次加工もせず、単純に厚い炭化層を作っていたのですが、その作り方は意外にシンプルで、

杉板を三角形に組んで筒のようにして、

その中に若干のおがくずを着火剤として仕込んで、

下からバーナーで着火すると・・・

あっという間に筒の中から炎が吹き出してきます。

放っておくと焼きムラができるので、ムラなくこんがり焼けるように、

隙間を調整すると言う言い訳で、焚き火のワクワクを楽しんでいると結構いい感じに。

 

おおそよ焼きあがったら、冷やすために地面に倒して・・・

水をかけて消火を行います。

この後、水をかけながらたわしでゴシゴシして、柔らかい炭化層を削って仕上げです。

組んでから焼き上がりまでおおよそ10分ぐらい。

真っ黒で綺麗な焼杉のいっちょ出来上がりぃ〜。

 

普通の住宅一件分でしたら、2日もあれば余裕で焼き切れますね。

 

写真では伝わりにくいので、タイムラプスでもどうぞ!

問題は「火事並みの煙が出ちゃうこと」で、周りに人がいるようなところでやると、

消防車がきちゃうことになるかも。

周りに住宅がないなどの、限られた場所でしかできないのが難ですね。

 

私の知り合いの浜松の工務店さん「扇建築工房」さんでも、同じやり方で,

天龍材の焼杉板を製作されています。

 

昔から使われていた手法で、しかもシンプルでどこでも手に入れられる材料の加工なので、

痛んで取り替えが必要となっても、同じ寸法の材料を焼いて持って来れば問題なく交換ができます。

こう言うやり方が、住まいを長持ちさせる一つの要素なんだと思います。

 

で、焼きすぎたのは私の両腕。

あまりに面白いので一日中半袖で焼いていたら、腕が真っ赤っかに日焼け(笑)

杉とともにコンガリ焼けました。