Wood ALC

またまたブログ更新が止まってもう一月(泣)

月日が流れるのは早いものです。


先月「WOOD ALC」なるものの工場と現場見学に行ってきました。

というものの、ここ最近はほとんど木造物件ばかりだったのですが、

規模、用途的に鉄骨造でないとちょっと無理かな~、という物件の依頼があり、

kameplan的には、鉄骨造といえどもやっぱり温熱環境的にちゃんとしたものを提案したいし、

できれば木をどこかに使いたい。


鉄骨造は、鉄そのものの熱伝導率があまりにも高いため、

木造のように充填断熱を行っても、断熱層を貫通している鉄骨から、
どんどん熱が逃げて行ってしまうんです。

なので、鉄骨の外側で包んでしまう「外断熱」が理想。



鉄骨造の外壁で一般的に使われているALC(軽量気泡コンクリート建材)は、
耐火性に優れて安価というのがいいのですが、熱伝導率(数字が大きいほど熱を通しやすい)は0.58W/m・Kと、

高性能グラスウールの0.034W/m・Kと比較しても、その5%程度の性能しかありません。

木が大体0.12W/m・Kですので、木と比べても2割程度、というぐらいなのです。

なので、ほぼ断熱性能は期待できず、内側に発泡系断熱材を吹き付ける必要が出てきます。

 

そこで、前から気になっていた「 WOOD  ALC」。

厚さ12センチの集成材を、ALCと同じように施工できるように加工した製品が出始めているのです。

集成材であれば断熱性能も期待できますし、WOOD ALCの外側に断熱材を張ったもので、

準耐火構造の認定が取れているらしく、これは期待ができるなぁ〜と、

長野まで馳せ参じてきました。

 

まずは施工中の現場見学へ。

おぉ〜、鉄骨造なのに厚板の木が見えているのが斬新。

鉄骨との取り合いも、ALCと同じ収まりをしているので難しくない。

ただ、サッシ下地も鉄骨用を使おうとすると、ちょっと工夫が必要らしい。

外部側には、ネオマフォームという高性能断熱材の50ミリ厚のものが張られている。

これとWOOD ALCだけで壁は十分。

おぉ〜、萌えるなぁ(笑)

現場見学の後は、実際にWOOD ALCの生産をされている齋藤木材工業さんの工場へ。

齋藤木材さんといえば、長野県産のカラマツを有効活用するために、

早くからカラマツ集成材を作られていた工場。

社長自ら工場をご案内いただきましたが、見たこともない大径材がごろごろ。

これなどは730ミリの梁の、なんと15M弱の1本もの。

工場の建屋の曲げ集成材もすごいですねぇ。

これは、某大手ゼネコンさんからの依頼の、鉄骨をかぶせるための加工をしているとのこと。

3次元NCルーターを駆使して、こんな複雑な加工もやっちゃう、最先端の工場でした。

 

私たち木造屋から見たときのWOOD ALCは、こんな収まりでいいのかなぁ〜と、

ちょっと不安になる部分もありましたが、ある意味「構造体ではない」と割り切れば、

水や湿気のことを普通に考えてあげればいいだけのこと。

 

木造ではやりきれない規模や、防火性能が求められる建物には、

ぜひ提案していきたい材料でしたね。