昨年11月の完成からおよそ1ヶ月経過した12月の暮らしで、実際にオフグリッド出来た割合が98.22%と優秀だった!という前回のお話。
「オフグリッドな我が家」は電力の自給自足を目指す家なので、電気の話ばかりしていましたが、
我が家はオール電化では無いのです。
エネルギーの効率、用途による使い勝手、環境負荷での比較はもちろん、
実験住宅としての思惑など、いろいろな側面から選択しています。
それぞれの選択理由は、また別の機会にお話しするとして、今回はお湯沸かすエネルギーに関してどう考えたか?
ということをまとめてみます。
ベーシックなのは「ガス給湯器」
まずお湯を沸かすには、どんな方法があるか?というところから。
昔から一般的なのは「ガス給湯器」です。
一軒家なら家の外壁面に、アパートやマンションなら各部屋の玄関横のPS(パイプシャフト)の中や
バルコニーなんかに「給湯器」が設置してあって、これで瞬間的にお湯を沸かします。
ガスの熱でお水を沸かして、熱くなったお湯をそのまま給湯利用する。
イラストでも分かりやすく示せるほどにシンプルなのと、給湯器1台で済むので比較的安価で設置可能です。
電気でお湯を沸かす「電気温水器」
名前はよく聞きますが、メインで利用している方は少ないのではないでしょうか。
電気だけでお湯を沸かすので、とっても電気代がかかるからです。
ガスが引けない場合や、お湯の利用が事務所の給湯室など限定されている場合、
リフォームなどでお湯の出る洗面台が欲しいけど、新たにガス管工事をするのが大変な時など、
部分的な利用であるのが一般的です。
電気でお湯を沸かす「エコキュート」
最近ではオール電化の住宅が増えてきたことから、
電気でお湯を沸かす「エコキュート」を設置するご家庭が多くなってきました。
電気の力を使って「空気」の熱を取り出して水を沸かすので、電気だけで熱を生み出すよりは省エネルギーです。
使用するより高い温度に沸かされたお湯をタンクに貯めて、使用する時に温度を調整してその時々で給湯します。
熱を作り出す機械は「ヒートポンプ」と言われ、エアコンで暖房する仕組みと同じなので、
エアコン室外機とそっくりな見た目です。
ヒートポンプと貯湯タンクがセットですので、機械の値段としては給湯器より高額になりますが、
オール電化の場合はほぼこの給湯設備を設置します。
太陽熱でお湯を沸かす「太陽熱温水器」
その名の通り、お日様の熱でお湯を沸かす本当にシンプルな給湯設備です。
下のイラストの様な姿は、今でもあちこちで見かけますね。
今ではもう少しスマートなタイプも作られているので、
太陽光発電のパネルと見分けがつかない場合があるかもしれません。
お湯を沸かすシステムとしては大きく分けて2つあり、
下のイラストは集熱パネルとタンクが一体になっている一番原始的(?)なタイプ⬇️
そしてもう一つは下のタンク分離型。集熱パネルに水の配管ではなく「冷媒管」を通して熱を集め、
タンクに貯めた水を熱してお湯を沸かすタイプ⬇️
いずれの場合も、お湯を沸かすのは太陽の熱(自然エネルギー)です。
そのほかに必要なのは水や冷媒を圧送する電力のみですので、安定供給や均一化は別にすると、
給湯器の中で一番省エネルギーであると言えます。
電気でお湯を沸かすということは「電気」を「熱」に変換してお湯を沸かすことになります。
「太陽の熱」を「お湯の熱」に変換するということは、変換することでエネルギーを無駄にしないこと。
今回我が家は、この「太陽熱温水器」と「エコキュート」を併用利用してみることにしてみました。
kame:オフグリッドハウスの暮らし方