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オフグリッドハウスは小さな木の家

このところ"おおいで研究所長の技術的解説シリーズ" が続いていますので、

そろそろ柔らかいお話をしましょうか(笑)

 

今回の記事を読んで、詳しいことが知りたくなったら、どうぞ所長の技術的解説シリーズをこの辺りから⬇️読んでみてください。


さて、ずっとお話している通り、オフグリッドな我が家は電力自給の住宅です。

 

特性としては…

・高い断熱性能の建物で消費エネルギーを抑える。

・太陽光発電パネルで電気を自給する。

・パネルで発電した電気を蓄電池に貯める。

 

という性能を持っているので、自然と設備の機能的なお話が多くなります。

それでもオープンハウスで我が家に来てくださった方からは…

 

「高性能な家だから、もっとメカメカしい(無機質な)家かと思っていた」

「性能優先でデザインは二の次なんじゃないかと思っていた」

 

など、見学前の印象をうかがうことがあるのですが

 

「実際に見てみると自然な雰囲気で、気持ちいい空間ですね」

と嬉しい感想をいただくことも。

 

そこで今回は性能以外の我が家の良いところをご紹介してみたいと思います(^^)/

 

 

自然のエネルギーを最大限に取り込む

 

家を考える時、まず思い浮かぶのは間取りや部屋の大きさではないでしょうか。

「子供部屋は小さくていいので2部屋欲しい、リビングは12帖くらいで対面キッチン…」

など具体的にイメージしやすいですよね。

 

雑誌やSNSで見た理想の間取りと同じにすれば、同じように暮らせるのか?というと、

なかなかそう簡単ではありません。

 

住まう人の暮らし方や家族構成で異なるのと同じように、建物の立地条件によっても大きく異なってきます。

その敷地の地域や方位、隣り合う建物との関係、日照や通風などは、家づくりに欠かせない要素です。

窓の位置や大きさ、庇の長さなどを工夫することで、自然から享受できるエネルギーを最大限に利用できます。

 

我が家では南側に大きな窓を設けながら、庇もしっかり出していますので、

冬は日当たり良く、家の中を暖めるのに役立ち、

夏は庇で直射日光を遮って冷房の効きを良くする助けになっています。

 

そういった知恵や工夫は「パッシブデザイン」などと言われていますが、

それは省エネルギーであるということだけでなく、本当に毎日の暮らしが豊かで楽しいものになります。

 

我が家の猫たちは、いつでも家の中で一番心地いい場所でのんびりしていますが、

その場所は季節によって変わります。

 

その姿を見ていると「自然ののままに暮らし方が幸せなんだよ」と教えられている気がします。

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庇の寸法、窓の位置や性能、植栽までもパッシブデザインで設計に組み込んでいます

 

できる限り国産の自然素材を使う

 

国産であることが全てに於いて良いというわけではありません。

優れた性能と環境に配慮された製品は、海外製の物の中にも確かにありますし、

海外で作られたパーツを含まない製品を探すのは、今では難しいことです。

 

でもやっぱり、輸送にかかるコストやエネルギーを考えた時、できる限り身近な場所で作られたものを使いたい。

そんな思いを持つ私たちなので、基本的には国産の素材、身体に有害な物質を可能な限り排除した材料を

優先して選択しています。

 

構造躯体や無垢フローリングは和歌山県の紀州材

壁紙は高知県の土佐和紙

塗料は米糠油や柿渋など天然素材が基調のもの

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品質の管理がしっかりしていること。

材料や製造工程などのトレーサビリティーが明確な素材を選んで、手入れしながら長く暮らすこと。

闇雲に消耗、消費しない生活は、私たちにとって心が軽やかになる要素だと考えています。

 

小さく建てて、のびのびと大きく住まう

 

夫婦2人と猫二匹で暮らしているので、それほど大きな空間が必要ではないのですが、

やはりゆとりのある空間や沢山の収納は憧れるものですよね。

 

でも賃貸住宅と違い、持ち家は長い期間のメンテナンスを自分自身で行わなければなリません。

あれもこれもを少し抑えて建物自体は小ぶりにした方が、色々と扱いやすいし、

歳を重ねた時にも楽なのではないでしょうか。

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コンパクトでも、空間構成に工夫をすれば伸び伸び過ごせます

機能的に必要な部分はしっかり確保しながら、部屋の大きさや天井の高さにメリハリをつけたり、

外の空間とつながりを感じられるような空間の構成をすれば、

コンパクトな家でも窮屈に感じることなく、伸び伸びと暮らすことができるはず。

 

kame:オフグリッドハウスの暮らし方