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住まいで使うエネルギーってどうなってんの?

 

住宅のエネルギー利用量の約25.4%は暖房、給湯は28.4%と、両方を合わせると53.8%を占めます。その反面冷房は3.2%と、イメージより遥かに消費エネルギーは少ないのです。

その冷暖房エネルギーは、建物の高断熱化や熱交換式換気システムの導入、「屋根を張り出す」「外付ブラインドを採用する」「高遮熱ガラスを採用する」などのパッシブデザインをしっかり行うことで大きく削減することが可能です。

また給湯は、日中太陽光発電で発電した電気で、エコキュートでお湯を沸かしたり、太陽熱ソーラーシステムによるお湯採りを行うことで、相当数削減することが可能です。

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家庭の用途別エネルギー使用量の割合(2018年 資源エネルギー庁 エネルギー白書より)

家庭で使う電気は、どんな用途に使っているのか?


家庭で使うエネルギー源の51.2%が電気です。
上記の表から導いて、エネルギー源を用途別で分けると、冷房(3.2%)+暖房(電気以外を引いた14.2%)動力、照明等(33.8%)=51.2%と、電力需要は冷房+暖房の約50%、家電製品、照明他に当てられています。
残りのガス、灯油、太陽熱他(48.8%)は、給湯(28.4%)+厨房(9.2%)+暖房(推定11.2%)=48.8%と、電気とそれ以外で必要なエネルギーの割合が推定できます。

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家庭のエネルギー源別使用量の割合(2018年 資源エネルギー庁 エネルギー白書)

東京都の集計によると、電気消費量の中でエアコン(冷暖房)以外が87.2%を占め、日中発電時に使うことが選べる衣類、食器乾燥機3.8%を除く83.4%が日中、夜間を問わず電気を消費するもので、この辺りは蓄電池の容量設定に影響を及ぼすと考えられます。

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東京都におめる最終エネルギー消費割合(2014年 東京都)

供給と需要事前予測(シミュレーション)が必要


このあたりの、住まいのエネルギー需要がどうなっているのかは、細かくは住まい手のライフスタイルによるところが大きいので、統計結果が全ての人に当てはまるわけではありません。
だからと言って、藪から棒に太陽光発電パネルを乗せたり、蓄電池も費用が許す限り入れて、あとは「風まかせぇ〜♪」というのも不安ですし、費用対効果という面で合理的ではありません。

みんなのオフグリットでは、太陽光発電量は当然ながら、「暖冷房負荷計算」という、建物の断熱性能や、敷地のアメダスデータをもとに算出するシミュレーションを用いて、冷暖房がどの程度必要かを24時間365日通して算出し、時間ごとの太陽光発電量、蓄電池の蓄電量と連動させながら予測することで、最適な太陽光発電量と蓄電池容量を設定しようと、シミュレーション構築を進めています。
今回建てる東村山モデルハウスでも、試作版シミュレーションを用いて算定したところ、365日24時間=8760時間中、286時間電欠することが見えています。(年間の3.3%)
この電欠をどう避けるか、どう補うかはこれからの課題です。

次回はそのシミュレーションについてお話ししたいと思います。