電力小売自由化とデマンドレスポンス

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。


・・・といっても、何だか元日から小春日和で「年が明けたなぁ」なんて気分が、全然しませんねぇ(笑)

では、2016年最初のブログは「電力自由化とデマンドレスポンス」
いまはそれほど世間では大きく取り上げられていませんが、
2016年4月より電力小売りが自由化され、
今まで工場やビル、商業施設などの大量に電気を消費するところ(大需要家)のみに限定されていた電力小売りが、
一般家庭にも解放されます。
詳しくは→【新電力PPSポータルサイト】【電力比較サイト エネチェンジ】

今までは関東では東京電力、関西では関西電力と、その地域の電力会社からしか電気を買う事が出来ませんでしたが、
4月から、どこから電気を買うか、各家庭ごとに選ぶ事が出来るようになります。

 

 

おそらく多くの電力小売会社(PPS)は、
「地域の電気事業者(東京電力や関西電力)よりも安いですよ〜」
と価格勝負に出て来るものと思いますが、
「うちは自然エネルギー発電でやってま〜す」
という事業者も、数は少ないですが出てくると思われます。

「できるだけ自然環境に負荷をかけない暮らし」

を実現したいkameplanとしては、自然エネルギーで発電している事業者さんを応援したくなります。

でも、そう言う事業さんって、どこに居るのかなぁ?とおもって、ちょっと調べてみました。

詳しくは→【パワーシフトキャンペーン運営委員会】

こちらでは2016年1月現在、9社の事業者さんが紹介されていますね。
どの会社さんも太陽光や風力を始めとした自然エネルギーと、
木材などから発電するバイオマス発電のミックスのようですが、
どちらにせよ、規模面やエネルギー源の不安定さを補うために、
発電量の少ない時間帯には消費を抑え、多い時間帯にシフトさせるような仕組みとセットにする事で、
有効に使い切る事が出来るかと思います。

具体的には、最近普及が始まってきたHEMS(ホームエネルギーマネージメントシステム)の採用によって、
例えば電力消費量が多くなった夏の日中に、エアコンの設定温度を自動的にあげたり、
洗濯機の運転を夜間にセットしたり、照明を自動的に減灯したりすることが可能になっています。
電力供給量に需要を合わせる事で、使いづらいといわれている自然エネルギー由来の電気を、
最大限に活用しよう、というたくらみです。

HEMSによる個別制御を電気事業者を共有する制御を「デマンドレスポンス制御」といい、
ピークカットに非常に有効だということで、様々な社会実験が進んでいます。
資源エネ庁の試算では、年間の1%の時間(約88時間)をデマンドでカットする事で、
7.5%の発電設備が不要になるとされています。

 

 

さらには、ピーク時に各家庭にあるエネファームやエコウィルを連携させ、
ピーク時の電力不足時に売電して、全体の供給量を保とうと言う実証実験も行なわれています。

 

詳しくは→NEXT21のデマンドレスポンス実証実験

すでに技術的には確立しており、あとは普及に向けた市場整備のみ、という局面です。
つまり、4月の電力小売自由化スタートとともに、HEMSを活用したデマンドレスポンスの取り組みも、
本格的に始まる可能性が高くなってきた、といえます。

今後のエコハウスは高断熱化、高効率設備の導入、太陽光発電や太陽熱の暖房、給湯利用などの、
住まい自らの消費エネルギーを減らす仕組みとともに、
今まで住まい手の努力に任せていた節電も、HEMSで発電事業者と連携して電力消費を調整する。
そうすることで、総エネルギー消費量を減らしていく。
そんな局面に入ってきていますね。